深江の部民

八世紀以降の史料の中には蒲原、沼垂地方に部民制がおよんでいたことをうかがわせる史料が何点かある。丈部は、八世紀以降、阿倍を含むウジに改姓される例が多く、元来、阿倍氏が管掌した部民であったとおもわれている。その分布は、東海道や東山道など東日本にかたよっているが、出雲地方にも集中的に見られ、越前、越中、越後、佐渡にも何例か確認される。八幡林遺跡から出土した八世紀の木簡に見られる丈部は蒲原地方に丈部が設定された痕跡とみてよいであろう。布勢部は、阿倍氏の同族である布勢氏が管掌した部民である。律令時代の小布郷や小布勢神社が布勢部の設定に由来するとすれば、これも阿倍氏の一族が蒲原地方に影響力をおよぼしていたことになる。日置部はヤマト政権の神事にたずさわる職能的な部民として六世紀の中ころ設定された。10世紀ころ、各地に日置郷や日置神社が存在したが、その半数がコシ地方と山陰地方に集中している。蒲原郡の日置郷は蒲原地方に日置部が設定された痕跡とみてよいであろう。

貴腐ワイン

貴腐ワインは、白ワイン用のブドウに菌が果皮に感染することによって非常に糖度が高まり、芳香を持つようになった最高級甘口ワインです。貴腐とは、腐敗したように見える干しブドウのようになった外見からは想像できないような芳香と風味を持ったワインが醸造されることからつけられた名前で、貴腐化したブドウを使って造られた甘口の最高級ワインを貴腐ワインと言います。