飢餓及び伝染病

律令時代の人々は、様々な課役のほかに、たびたび襲う飢饉や伝染病の流行にもおびやかされた。続日本後紀によると越後国は中央政府に対し、去年伝染病が大流行した。また、異常気象による開花や耕作の時期がくるった上、はやくに寒気がきたため、秋の実りがなかった。このように飢饉と伝染病が重なり、死者がたくさん出ている、救済処置を講じているがなお不足している。窮民を救うため米穀を売買することを許可してほしい、と申請し、許可されている。続日本後紀にはこの直前に越後国蒲原郡の伊夜比古神を名神とする。かの郡に日照りや伝染病の流行のあるたびに、雨を降らせ、病を救ったからである。と伝えている。ここにみられるように、伊夜比古神が特に神格の高い名神に昇格したことは、日照りや伝染病が発生するたびに霊験をしたことによる。このとき越後国は、前年来の伝染病の流行と異常気象による飢饉にともなう深刻さのさなかにあった。

貴腐ワイン

貴腐ワインは、白ワイン用のブドウに菌が果皮に感染することによって非常に糖度が高まり、芳香を持つようになった最高級甘口ワインです。貴腐とは、腐敗したように見える干しブドウのようになった外見からは想像できないような芳香と風味を持ったワインが醸造されることからつけられた名前で、貴腐化したブドウを使って造られた甘口の最高級ワインを貴腐ワインと言います。