人々の信仰

伊夜比古神は人々にとって、伝染病をしずめたり日照りになると雨を降らせてくれる神であり、人々の労災と農業活動を守ってくれる神であった。また、能登地方では海の神である、伊夜比め神の祭日に伊夜比古神が訪れるという神婚伝承がある。この伝承は蒲原地方と能登地方に古くから密接な交流があったことをうかがわせる。伊夜比古神は日本海の沿岸を航海する人々にとって航海の安全を守る神であった。このように伊夜比古神は、もともと多様な性格をもつコシ地方の人々の神であった。伊夜比古神は天長10年に名神に昇格し、その後も神位が上昇するなかで、しだいに国家の保護と管理を強く受けるようになった。承暦四年に神祗官のうらないにもとづいて伊夜比古神社の社司は神事を汚しているしてお払いを命じられている。伊夜比古神社が強く国家の管理下におかれていたことを示すものであろう。ヤマト政権は七世紀の後半に越の蝦夷に仏具を寄与し、律令政府も八世紀以降、各地に国分寺などを建設した。これによって、越後国でもしだいに寺院を中心に在地の有力者などに仏教が普及するようになったと思われる。

貴腐ワイン

貴腐ワインは、白ワイン用のブドウに菌が果皮に感染することによって非常に糖度が高まり、芳香を持つようになった最高級甘口ワインです。貴腐とは、腐敗したように見える干しブドウのようになった外見からは想像できないような芳香と風味を持ったワインが醸造されることからつけられた名前で、貴腐化したブドウを使って造られた甘口の最高級ワインを貴腐ワインと言います。