砂鉄から鉄

須恵器の生産と並んで、新たに始った産業が鉄つくりである。鉄は砂鉄や鉄鉱石を原料として、炉を使って作る。日本における鉄器の使用は弥生時代から本格的に始る。斧やナイフが石から鉄に変わり、これによって作業効率は飛躍的に高まった。日本における鉄つくりの始りは、弥生時代と古墳時代説の二つある。はっきりとした遺跡としては、古墳時代後期の六世紀が最古である。しかし、それとて九州北部や中国地方である。越後で鉄つくりが始ったのは、それから後の奈良時代始る頃で、須恵器の生産とほぼ同時期である。越後でも古墳時代以降は、すでに利器としての石器は姿を消していることから、西日本で生産されていたものが持ち込まれていた。越後で行われていた製錬は砂鉄を原料としていた。砂鉄はもともと地層に含まれているものであるが、それを採掘した遺跡は見つかっていない。川辺や海岸から採ったものを使用したと思われる。

貴腐ワイン

貴腐ワインは、白ワイン用のブドウに菌が果皮に感染することによって非常に糖度が高まり、芳香を持つようになった最高級甘口ワインです。貴腐とは、腐敗したように見える干しブドウのようになった外見からは想像できないような芳香と風味を持ったワインが醸造されることからつけられた名前で、貴腐化したブドウを使って造られた甘口の最高級ワインを貴腐ワインと言います。