産 業

須恵器と鉄の生産が越後で始ったことは、六国史や文献には全く記録されていない。そのため、その目的や背景はよくわからない。しかし、この時期は、まさに越後に律令体制が成立した七世紀末から八世紀前半あたっており、これらのことと生産の開始時期が密接に関係していることを示している。須恵器と士師器の生産を掌握していたのは、郡単位の生産労働力となる人々を動員できる力からみて、地域で力をもっていた郡司層などの豪族であろう。律令国家は郡司層を通じて支配体制を確立していったが、土器の生産もその一環であったと思われる。人々は須恵器の食器を手にして、それまでとまったくちがった新しい時代の到来を感じとったはずである。須恵器の普及を通じて、地域に新しい国家思想が着実に普及し定着していった。当時の支配者の意図はここなあったと思われる。

貴腐ワイン

貴腐ワインは、白ワイン用のブドウに菌が果皮に感染することによって非常に糖度が高まり、芳香を持つようになった最高級甘口ワインです。貴腐とは、腐敗したように見える干しブドウのようになった外見からは想像できないような芳香と風味を持ったワインが醸造されることからつけられた名前で、貴腐化したブドウを使って造られた甘口の最高級ワインを貴腐ワインと言います。